蜜林檎 *Ⅱ*
「アン・・・
 お父さん、私とイッキが
 つきあっていた頃は
 時代が悪かったのよ」

樹は、デビューしたばかり
右も左もわからない
 
芸能界っていう荒波に
もまれていた頃・・・
 
仕事も自分たちの思うようには
させてもらえない。 
 
やりたくない仕事も引き受け
なくてはいけないのが現状。
 
「でも、今は、もう
 ベテランだもの
 自分達で、仕事内容なども
 決められるだろうし
 そりゃ、熱狂的なファンの
 子達は今もいるとは思うけど
 
 ファンもあそこまでは
 子供じゃないと思うわ」

「杏さんと向き合う時間は
 これからもたくさん
 作っていきます
   
 でも正直、ツアーや
 アルバムの収録等に入ると
 彼女を一人にさせてしまう
 ことはあります」
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