蜜林檎 *Ⅱ*
「はい」

「さあ、中に入ってくれ」

玄関に揃えられて置かれている
昨夜の杏のパンプス。

杏は、雅也が怒っていない事に
安堵する。

「イツキ、座って・・・
 コーヒー淹れるね
 
 ナナは、何か飲む?」

「わたし、いらない~」

樹は、ソファーに腰をかける。

会合へ出かける為に、髭を
剃ったりと用意をしている雅也
に杏は聞く。

「お父さんとナナ
 何か朝ご飯食べたの?
   
 私たちは来る途中に
 コンビニに寄って 
 車でおにぎりを
 食べたんだけど・・・」
 
雅也と菜那は、軽く
お茶漬けを食べたらしい。

「そっか、分かった
 じゃあ、お昼は私が
 何か作るね
 
 お父さんは、お昼はどう?」
< 105 / 275 >

この作品をシェア

pagetop