蜜林檎 *Ⅱ*
樹の電話を奪い雅也は
告げる。

「サクヤ、今から俺の店に来い
 他の奴も誘って来い
 早く来ないと、うまい飯
 食い損ねるぞ」

「すぐ、行きます」

「サクちゃん、待ってるよ
 後でね」

電話を切った後の、朔夜の
頭の中は何が何やら?
 
全く、理解不能だったが・・・

なんか、楽しそうだ。

家に着き靴を脱ぐ杏に、雅也は
話があるから今すぐ自分の部屋
に来るようにと伝えた。

「イツキ、疲れたでしょう
 そこが私の部屋だから
 入って、ゆっくり休んでて
 すぐに戻るから・・・」

「ああ」

杏は雅也の部屋へ入り
ドアを閉めた。

樹は初めて、杏の部屋へ
足を踏み入れる・・・
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