蜜林檎 *Ⅱ*
その頃、杏は雅也の部屋
怒られる事を覚悟で黙って
下を向いていた。

「アン、俺がこんな事を
 言わなくても、おまえは
 ちゃんと分かっていると
 思うが言わせてもらう・・
   
 昨日、おまえがソウにした
 事は、アイツの心を深く
 傷つけた
 
 絶対にしてはいけない事を 
 おまえは
 アイツにしてしまった・・・
 
 その事を今更、どうこう言う
 つもりは無い
 
 ただ、ソウにちゃんと会って
 謝る責任がおまえにはある
 ソウが許してくれなくても
 ・・・」

「うん、私もこのままじゃ
 いけない事は分かってる
 
 ちゃんと、ソウちゃんに
 自分の口から謝るつもり」

「それなら、いい・・・」
  
雅也は、その後、杏にこれから
の事を聞いた。
 
この家には戻らずに
樹と暮らしていくのかと・・・
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