蜜林檎 *Ⅱ*
「明日、ユリちゃんに
御礼言わなきゃ
うわぁ、見たい・・・
見てもいいかなぁ?」
上目遣いで樹にそう問いかける
杏はとても可愛くて、樹はつい
意地悪を言ってみたくなる。
「ダメだよ・・・
なんて嘘、見てもいいけど
その代わり、煙草
吸ってもいいかな?」
「ごめん、気づかなくて
灰皿、持ってくるね」
樹は昔の精一杯、かっこつけて
いる頃の自分の姿を見られる
恥ずかしさから、窓の外を
見つめて煙草を吸う。
こっそり杏を見つめると彼女は
とっても嬉しそうに目を輝かせ
ながら、ページを捲っていく。
そんな杏の手が、あるページを
境に止まる。
そこに挟まれてあった写真には
当時、付き合っていた頃の
樹と百合の姿が写る。
百合の肩に腕を回し
無邪気に笑う二人の姿。
御礼言わなきゃ
うわぁ、見たい・・・
見てもいいかなぁ?」
上目遣いで樹にそう問いかける
杏はとても可愛くて、樹はつい
意地悪を言ってみたくなる。
「ダメだよ・・・
なんて嘘、見てもいいけど
その代わり、煙草
吸ってもいいかな?」
「ごめん、気づかなくて
灰皿、持ってくるね」
樹は昔の精一杯、かっこつけて
いる頃の自分の姿を見られる
恥ずかしさから、窓の外を
見つめて煙草を吸う。
こっそり杏を見つめると彼女は
とっても嬉しそうに目を輝かせ
ながら、ページを捲っていく。
そんな杏の手が、あるページを
境に止まる。
そこに挟まれてあった写真には
当時、付き合っていた頃の
樹と百合の姿が写る。
百合の肩に腕を回し
無邪気に笑う二人の姿。