蜜林檎 *Ⅱ*
初めて知った千里に、圭司も
お祝いの言葉を言う。

「おめでとう」
 
「それはおめでたい話だね」

「って事は、今日は
 ユリちゃんには会えないのか
 ・・・残念」

残念がる博臣に、雅也は
昔のように、いつでもここへ
飲みにくればいいだけの事だと
伝えるのだった。

夜は、だんだん更けていく・・

その頃、杏は、真からの
電話に出ていた。
 
今日は、百合の個室に菜那も
一緒に泊まることにしたという
内容だった。

酒を酌み交わし、雅也の手料理
を昔のようにみんなで食べる。
  
「うまい、この煮付け最高」

「この味、昔と同じ・・・
 忘れられない味」

「本当、うまい」

「うまいだろう
 これも、これもうまいぞ
 食材はたんまりある
 どんどん、作るから
 遠慮せずどんどん食べろよ」
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