蜜林檎 *Ⅱ*
酒を飲む樹の手が止まる。
  
「イツキ、おかわりは?」

「もういいよ

 今日は飲み過ぎた~」

お酒を飲んでも、あんまり
変わらない樹に朔夜は絡む。
 
「何言ってるの
 まだまだ飲めるくせに
 ほらほら」

樹のコップにビールを注ぐ朔夜

「じゃあ、今日は
 とことん飲みますか」

飲んでいくうちに、樹の
テンションがどんどん上がって 
社交的になって行く姿に杏は
驚く。

「イツキ、こんなにひょうきん
 になるんだね」

「ここからが
 イッキも俺も、グイグイ
 いけちゃうんだよね」
 
「おう、飲め、飲め」
  
雅也の掛け声に、昔に戻った
ように酒を浴びる程に飲む
樹と朔夜。
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