蜜林檎 *Ⅱ*
昨夜、騒いだままの状態で
そのまま時が止まったかの
ように放置されている。

酒の空き瓶が

そこらじゅうに転がり
 
洗い場には、大量の皿に
コップが・・・

哲也の部屋で寝ている
朔夜と千里。
  
居間で寝ている、博臣に圭司。

そして、突然のプロポーズに
驚き酒に酔いつぶれて眠る樹に
真相を聞けないまま高鳴る胸の
鼓動を押さえ眠りに着いた杏。

そんな杏の想いを他所に

何も知らない樹は
  
彼女の部屋のベッドで

彼女の隣で
  
すやすやと眠りについている。

穏やかな朝の日差しが

居酒屋『青月』に降り注ぐ。
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