蜜林檎 *Ⅱ*
「すまない・・・
 俺の気持ちは変わらない
 
 それでも、二人が一緒に
 いたいと言うのなら
 俺の見てないところで
 勝手にやってくれ
   
 その代わり、俺は決して
 二人の事を認めない」

雅也の心を、頑なに
縛り付けている何か・・・

原因が他にある。

許してはくれない・・・

そう、諦めかけた杏の耳元に
届いた樹の声・・・

「親父さんに許して
 もらえるまで、何度でも
 俺は、ここへ来ます
   
 俺は、もう二度と
 大切な人を失いたくない」

樹は、杏の手を強く握り締めた

結局、雅也には許してもらう
事ができないまま

二人は車が停めてある
駐車場へ向かう。
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