蜜林檎 *Ⅱ*
その頃、百合は病室で

雅也と二人きり・・・
 
昨夜の酒宴の話で
盛り上がっていた。

「いいなぁ、わたしも
 皆に会いたかったな
 
 お父さん、皆に
 また会う事ができて
 良かったね」
     
「ああ、皆、外見は親父に
 なってしまっていたが
 中身は、あの頃のままで
 どいつもこいつも
 いい顔してたよ」
     
今後は、昔のようにお店にも
顔を出してくれていろんな話
ができるだろうと、雅也は
とても、嬉しそうに笑った。

「・・・お父さん
 アンとイッキの事
 
 まだ許せない?」

雅也は、何も答えず黙り込む。

百合は、そんな父に
自分の思いの全てを語る。
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