蜜林檎 *Ⅱ*
「イッキと付き合う前の私は
お父さんも知っているように
あの家から一日も早く出て
行きたかった
あそこには、私の居場所
なんてなかったから・・・」
自分を捨てた母親への恨みにも
似た思いと雅也に対する怒りに
百合の心は押しつぶされそう
だった。
「ずっと、息苦しかった・・」
「ユリ、おまえには
本当にすまない事をしたと
思っている」
「お父さん、そんな私が
どうして今もあそこにいる
と思う
イッキとの別れがあって
レツを失って、途方に暮れた
私を一生懸命に支えてくれた
お父さんの私への愛情が
分かったから・・・
お父さんが、私の傍にいて
抱きしめてくれたから
アンが私の手をとって
『大丈夫』って、小さな手で
握ってくれたから
あの家にずっと居たいと
そう思えたの」
お父さんも知っているように
あの家から一日も早く出て
行きたかった
あそこには、私の居場所
なんてなかったから・・・」
自分を捨てた母親への恨みにも
似た思いと雅也に対する怒りに
百合の心は押しつぶされそう
だった。
「ずっと、息苦しかった・・」
「ユリ、おまえには
本当にすまない事をしたと
思っている」
「お父さん、そんな私が
どうして今もあそこにいる
と思う
イッキとの別れがあって
レツを失って、途方に暮れた
私を一生懸命に支えてくれた
お父さんの私への愛情が
分かったから・・・
お父さんが、私の傍にいて
抱きしめてくれたから
アンが私の手をとって
『大丈夫』って、小さな手で
握ってくれたから
あの家にずっと居たいと
そう思えたの」