蜜林檎 *Ⅱ*
「マリア、すまない」

「イッキは何も悪くない」

まりあはその場に立ち
マンションを離れ、一人
夜の街へと歩いて行く。

そんなまりあを、放っておく事
など、樹にはできない。

「マリア、そこで待ってて
 家まで送って行くよ」
 
樹は駐車場に戻り車を出し
まりあを乗せて走り出す。

まりあの家の下まで、彼女を
送り届けた樹。
  
シートベルトを外す、まりあに
樹は自分の今の想いを告げ
分かってもらおうとした。

まりあの肩に手をあて、彼女を
見つめた樹は・・・手を離し
まりあの真っ直ぐな瞳から
目を逸らし、俯いて話し出す。
  
「マリア、俺の気持ちは・・」
 
樹の言葉を遮るように、まりあ
は、樹の唇にキスをした。

驚く樹の肩に手を寄せ

熱い口づけを。
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