蜜林檎 *Ⅱ*
杏は、裸足のままで

樹に近寄り

彼の胸に頬を寄せ

愛しい人の香りに

心から安らぐ。

ドアホンの音に起きてきた雅也
は、玄関先で抱きしめあう

二人の姿を見ながら
あくびをする。
  
そして、隣で微笑む百合に
ぼそっと話す。

「ユリ・・・
 あれは、先が思いやられるぞ
 
 イッキなしじゃアンは・・」

「そうね
 生きていけないでしょうね
 
 でも心配しなくても大丈夫よ
 二人はもう、絶対に離れたり
 しない
    
 ほら、アン、イッキ
 ご飯食べてから、帰ってね」

「俺は、もう少し寝る」
  
雅也は、部屋へ戻り

二人は朝食をとった後に
手を繋いで帰って行く。
< 151 / 275 >

この作品をシェア

pagetop