蜜林檎 *Ⅱ*
また、そんな不安定なまりあを
放っておく事ができなかった樹

二人は、別れては付き合うを
繰り返し、ダラダラと関係を
続けて、今まで来てしまった。

『俺が・・・悪い』

まりあの本心を聞いた

樹の胸は騒ぎ、苦しい。

杏と樹、二人を引き裂くような
何かが、これから先

起こらなければいいが・・・

杏は、何かに悩んでいる
樹の右頬に背伸びをして
軽くキスをした。
 
頬に触れた、彼女のやわらかい
唇の感触・・・
 
そして、樹だけに向けられる
微笑み。

樹だけを信じ、見つめる
澄んだ瞳。

樹は、心から誓う。

『俺が守らなくてはいけない人
 
 それは、目の前にいる

 彼女、一人だけ』
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