蜜林檎 *Ⅱ*
「そうだ、樹
 お腹すいたでしょう?
 何か作るから
 もう少し待ってて・・・」

「杏、俺はいいよ
 昼食は、新幹線内で
 済ませたから
 
 それより
 少し眠っていいかな?
 
 明日は休みだから、夜は
 何か食べに行こう」

日差しを遮った部屋で、樹は
眠りにつく。

その夜、車で食事に向かう二人
樹との久しぶりの外出に
喜ぶ杏は、いつも以上に
テンションが高く。
樹の隣で、にこにことよく笑う

「もうすぐ、ライブが観れる
 そうだ、ユリちゃんとっても
 楽しみにしてるんだよ
 
 私も楽しみ、早くイツキや
 メンバーに会いたい」
 
「今、逢ってる・・・」

「もちろん、今のイツキも
 かっこいいよ、だけど
 ステージの上のイツキは
 最高なの」

キラキラと瞳を輝かせている杏

杏の瞳から、零れ落ちた輝きは
彼女の足元で、暗闇の中
輝く時を待っていた。
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