蜜林檎 *Ⅱ*
雅也は樹の行動に驚いて
何も言えないでいた。
「アン、何してるの
ここはいいから
行ってらっしゃい
ほら、エプロン外して・・」
杏はエプロンを外し、百合は
それを受け取る。
「お父さん行ってきます」
その声は、久しぶりに聞く
娘の声だった。
店を出て、樹の歩調に
合わせて並んで歩く。
何のお洒落もしていない杏の手
をしっかりと握りしめる樹。
強く繋がれた樹の手は
とても大きくて温かい。
これが男の人の手・・・
『私の全てを優しく包む』
不安な想いは、消えていく・・
何も言えないでいた。
「アン、何してるの
ここはいいから
行ってらっしゃい
ほら、エプロン外して・・」
杏はエプロンを外し、百合は
それを受け取る。
「お父さん行ってきます」
その声は、久しぶりに聞く
娘の声だった。
店を出て、樹の歩調に
合わせて並んで歩く。
何のお洒落もしていない杏の手
をしっかりと握りしめる樹。
強く繋がれた樹の手は
とても大きくて温かい。
これが男の人の手・・・
『私の全てを優しく包む』
不安な想いは、消えていく・・