蜜林檎 *Ⅱ*
「ただいま」

「おかえりなさい」

樹は、こうして私の待つ家へ
帰って来てくれる。

私を、とても大きな愛で
包んでくれる。

私は、樹を信じている。

翌日、杏と百合と瑠璃子は
会場へと向かう。

今日の杏は、どこか元気が
なかった。

「ユリさんにメイクをして
 もらって私じゃないみたい」

「ルリちゃんは、もともと
 目元がキリッとしてるから
 クールなメイクがとても
 よく似合うわ
 
 ねえ、アン・・・
 アン、どうかした?」

「ううん、何でもないよ」

会場の前で待ち合わせを
していたあやめとも
無事に会うことができ
杏は百合に彼女を紹介した。

「はじめまして
 アヤメといいます」

「はじめまして
 いつも、アンと仲良くして
 くれてありがとう」

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