蜜林檎 *Ⅱ*
杏と出会って、樹は自分が
こんなにも女々しい奴だった
という事を知った。
『杏を失う・・そう思ったら
俺は俺でいられなくなる』
母親に棄てられ、心から愛した
百合に別れを告げられ
まりあとの関係はうまく行く事
は無く、引っ付いたり離れたり
を繰り返し、その他にも
付き合った女性はいたが
長く続くことなど無かった。
まりあが言うように、百合と
別れた後の樹は彼女に囚われて
どこか恋愛に冷めていた。
本気になって、また失うことが
怖かった。
相手に、本当の自分自身を
見せないで、自分の領域に踏み
込まれる事を酷く拒んでいた。
そんな樹が杏に出会い
彼女にだけは、自分の全てを
知ってほしいと思った。
『アンは
貴方だけを愛してる』
百合の言葉が、樹の胸に
突き刺さった
『貴方なんかいらない』
と言う
杏の言葉を掻き消していく。
こんなにも女々しい奴だった
という事を知った。
『杏を失う・・そう思ったら
俺は俺でいられなくなる』
母親に棄てられ、心から愛した
百合に別れを告げられ
まりあとの関係はうまく行く事
は無く、引っ付いたり離れたり
を繰り返し、その他にも
付き合った女性はいたが
長く続くことなど無かった。
まりあが言うように、百合と
別れた後の樹は彼女に囚われて
どこか恋愛に冷めていた。
本気になって、また失うことが
怖かった。
相手に、本当の自分自身を
見せないで、自分の領域に踏み
込まれる事を酷く拒んでいた。
そんな樹が杏に出会い
彼女にだけは、自分の全てを
知ってほしいと思った。
『アンは
貴方だけを愛してる』
百合の言葉が、樹の胸に
突き刺さった
『貴方なんかいらない』
と言う
杏の言葉を掻き消していく。