蜜林檎 *Ⅱ*
「そうか・・・
 今日は客も少ない
 シン、悪いがのれんを
 外してくれないか・・・」

営業時間の途中で、お店を
閉めるなど初めての事なので
雅也の言葉に真と百合は驚き
戸惑うのだった。

「えっ、もう・・・
 お店、閉めるの?」

「ああ、今日はこれから
 イッキと話がしたい
   
 イッキ、おまえに
 話さなくてはいけない
 大切な話がある・・・」

雅也の言葉に
百合の顔色が代わる。

「お父さん、まさかあの事を
 イッキに話すつもりじゃ
 ・・・・・」

「もう、いい加減
 隠してはおけないだろう・・
 イッキ、おまえがこうして
 何度ここへ足を運んで
 くれても、俺は
 お前達が付き合う事を
 認めることはできない
 ・・・・・・
 もう、黙っている事に
 俺は疲れた・・・」
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