蜜林檎 *Ⅱ*
「お父さん、でも・・・
 この話は他言しないって
 彼と約束したのよ」

樹は、雅也と百合が何を
話しているのか
全く理解ができない。

「ユリ、今話さなくて
 いつ話すんだ
 シン、お前もそこで
 聞いておいてくれ・・・」

沈黙が続いた後、雅也の口から
衝撃的な言葉が飛び出す。

「イッキ・・・おまえには
 ユリとの間に子供がいるんだ
 名前は、烈、レツ、年は14歳
 ・・・・・・」

雅也の言葉に、樹の頭の中は
混乱する。

「俺に・・・こども・・?」

「そうだ、イッキ
 おまえと別れたあの日
 
 ユリのお腹には
 レツがいた・・・」

「どうして、そんな大切な事を
 俺はしらない」
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