蜜林檎 *Ⅱ*
「先生、この子が産まれたら
 抱いてあげてくださいね」

「喜んで」

雅也は言う。

「ユリが、ユウジと結婚すると
 言った時は驚いたよ
 でも正直、ユリが一人で
 子供を出産して生活していけ
 るのか不安でもあった、私は
 精神科であるユウジがユリを
 サポートしてくれると言って
 くれた時、ほっと安堵したよ
  
 無事にレツも産まれて、彼は
 ちゃんと自分の籍にも入れて
 くれたしな」

「彼は、わたしにもレツにも
 とても優しくて、すごく
 いい夫だったわ
 
 何年間は家族三人で楽しく
 過ごしていたんだけど
 ある時、彼のお父さんが
 亡くなって、実家の診療所
 で働く事になったの」

百合も彼の実家に住む事になり
彼のお母さんと同居することに
なった。
  
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