蜜林檎 *Ⅱ*
幼い頃、そう強く思った少女は
大人になって決して手の届く事
の無い、彼に憧れを抱き
その存在を、ただ遠くから
見つめているだけで良かった。
歌声を聞いているだけで
幸せな気分になれた。
それだけで良かったはずなのに
・・・一度、触れ合えば
もう二度と
その手を離したくなくなる。
彼の愛が欲しくて堪らなくなる
彼だけを想って、この胸は
苦しく、痛む。
彼の愛に溺れて行くのを
止めることなんてできない。
愛を知る前の自分自身に
引き返す事なんてできない。
それが、人を愛するという事。
『私は、イツキを
愛してしまった』
杏は樹を愛した事で、今は亡き
母の想いが分かるようになった
掴んだ愛が間違った方向へと
進んでいる事を知っていても
走り出した思いは、もう
止めることはできない。
大人になって決して手の届く事
の無い、彼に憧れを抱き
その存在を、ただ遠くから
見つめているだけで良かった。
歌声を聞いているだけで
幸せな気分になれた。
それだけで良かったはずなのに
・・・一度、触れ合えば
もう二度と
その手を離したくなくなる。
彼の愛が欲しくて堪らなくなる
彼だけを想って、この胸は
苦しく、痛む。
彼の愛に溺れて行くのを
止めることなんてできない。
愛を知る前の自分自身に
引き返す事なんてできない。
それが、人を愛するという事。
『私は、イツキを
愛してしまった』
杏は樹を愛した事で、今は亡き
母の想いが分かるようになった
掴んだ愛が間違った方向へと
進んでいる事を知っていても
走り出した思いは、もう
止めることはできない。