蜜林檎 *Ⅱ*
「moment」関係者、樹の知人
以外は、誰も杏が彼の妻だと
いう事を知らない・・・
それなのに、目が合う人
飛び交う言葉の全てが
杏自身に向けて、発せられて
いるような錯覚にさえ陥る。
杏の胸は、張り詰められた空気
に息苦しさを覚えた。
その手を、瑠璃子が握る。
「アン、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
杏は、今の現状をちゃんと
受け止めなくてはいけない。
会場の照明は消える事なく
ステージに樹が一人で現れた。
ファンの歓声が最高潮になる。
マイクスタンドの前に立つ、樹
「みんな、今日は
来てくれてありがとう
もう、みんな
知ってるよね」
樹は、深呼吸をする。
すると、ファンから祝福の声が
飛び交う。
以外は、誰も杏が彼の妻だと
いう事を知らない・・・
それなのに、目が合う人
飛び交う言葉の全てが
杏自身に向けて、発せられて
いるような錯覚にさえ陥る。
杏の胸は、張り詰められた空気
に息苦しさを覚えた。
その手を、瑠璃子が握る。
「アン、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
杏は、今の現状をちゃんと
受け止めなくてはいけない。
会場の照明は消える事なく
ステージに樹が一人で現れた。
ファンの歓声が最高潮になる。
マイクスタンドの前に立つ、樹
「みんな、今日は
来てくれてありがとう
もう、みんな
知ってるよね」
樹は、深呼吸をする。
すると、ファンから祝福の声が
飛び交う。