蜜林檎 *Ⅱ*
「ユウジのお母さんは
才のない私をすごく疎ましく
思っていたわ
わたしとの結婚を許したのは
ただ跡継ぎが欲しかったから
・・・
彼もそんなお母さんには
反抗できなくて耐えきれなく
て、離婚を決意して、レツを
連れて実家に戻ったの」
樹は真剣に、百合の話を
聞いている。
百合の過去は
樹の母親と重なる。
彼の母も、姑と折り合いが
悪く家を出て行った・・・
「だけど、ユウジが親権を
主張したことで協議離婚では
話がまとまらず
調停、訴訟になって結局
ユリは精神病を患っていると
いう件と定職にも就いて
いないという件で
レツは、裕福な父親である
ユウジと暮らした方がいいと
親権は
ユウジに決まったんだ」
杏が覚えている幼い頃の記憶は
ここに繋がっていく。
烈は背の高い男性に
手を引かれて
この家を出て行った・・・
才のない私をすごく疎ましく
思っていたわ
わたしとの結婚を許したのは
ただ跡継ぎが欲しかったから
・・・
彼もそんなお母さんには
反抗できなくて耐えきれなく
て、離婚を決意して、レツを
連れて実家に戻ったの」
樹は真剣に、百合の話を
聞いている。
百合の過去は
樹の母親と重なる。
彼の母も、姑と折り合いが
悪く家を出て行った・・・
「だけど、ユウジが親権を
主張したことで協議離婚では
話がまとまらず
調停、訴訟になって結局
ユリは精神病を患っていると
いう件と定職にも就いて
いないという件で
レツは、裕福な父親である
ユウジと暮らした方がいいと
親権は
ユウジに決まったんだ」
杏が覚えている幼い頃の記憶は
ここに繋がっていく。
烈は背の高い男性に
手を引かれて
この家を出て行った・・・