蜜林檎 *Ⅱ*
二人は、前もって何のプランも
立てずに気の向くままに
行きたい場所へと旅に出る。

思い立ったら手を取り合って

即、行動。

鞄には

時に甘く

時に酸っぱい

そんな

蜜入り林檎を忍ばせて

・・・・・・

・・・・・・

幼い少女は公園で、折れた枝を
手に持ち地面の砂に、林檎の絵
をたくさん描いている。
 
正直、その絵は林檎なのか

何なのか?
 
少女にしか分からない。

「それ、リンゴ?」

見上げた少女は

太陽の光を受けて輝く

金色の髪をした男の人に

戸惑いながらも答えた。
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