蜜林檎 *Ⅱ*
秘め事
頑なな心
『ねえ、イツキ
貴方だけでいいよ』
それから、何も進展が無いまま
ひと月が過ぎ、樹達のイベント
参加も、大盛況のうちに
幕を閉じた。
杏は今回のライブを
観には行かなかった。
瑠璃子の仕事が多忙で都合が
つかないという理由。
又、樹と付き合っている事を
話して以来、雅也(父親)
とは、ぎぐしゃくした関係が
続いていて、家の中は
重苦しい空気が漂っていた。
杏は、とてもライブへ出かける
ような気持ちにはなれなかった
そして今日、とうとう
その日がやって来た。
杏と一緒に雅也の待つ
家へ向かう樹。
「イツキ、緊張してる?
よね・・・」
「うん、親父さんに会うのは
十五年ぶりぐらいだから」
杏は強く、樹の手を握りしめた
貴方だけでいいよ』
それから、何も進展が無いまま
ひと月が過ぎ、樹達のイベント
参加も、大盛況のうちに
幕を閉じた。
杏は今回のライブを
観には行かなかった。
瑠璃子の仕事が多忙で都合が
つかないという理由。
又、樹と付き合っている事を
話して以来、雅也(父親)
とは、ぎぐしゃくした関係が
続いていて、家の中は
重苦しい空気が漂っていた。
杏は、とてもライブへ出かける
ような気持ちにはなれなかった
そして今日、とうとう
その日がやって来た。
杏と一緒に雅也の待つ
家へ向かう樹。
「イツキ、緊張してる?
よね・・・」
「うん、親父さんに会うのは
十五年ぶりぐらいだから」
杏は強く、樹の手を握りしめた