蜜林檎 *Ⅱ*
『今の俺に
 
 杏を受け止める事が

 できるのか
  
 こんな俺でいいのか・・・
  
 ユリのように、杏に

 悲しい想いをさせて
   
 しまうかもしれない
  
 俺は、杏を傷つけてしまう』

急に降り出した雨に

濡れる二人。
   
樹は何も言わずに雨の中

杏を強く、強く抱きしめた。

君を失いたくない・・・
 
『杏とは、別れてくれ・・・』

・・・雅也の声が、耳に残る。
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