蜜林檎 *Ⅱ*
「ちゃんと
 話を聞いてもらおうね」

「俺、しっかりしなきゃ・・・
 杏の方が年上みたいだね」

二人はしっかりと手を繋ぎ
微笑み合う。

リビングでお茶を飲んでいた
雅也と百合は、家のドアが開き
閉まった音に気がつく。

「ただいま」

「おとうさん、アンだわ」

百合は急いで玄関へ出向くと
杏が樹にスリッパを出して
あげた後、樹の脱いだ靴を
揃えてあげている・・・

樹の世話を焼く杏の姿に百合は
微笑ましくなるのだった。

「アン、おかえりなさい」

「ただいま、お父さんは?」

「リビングで待ってるわ
 イッキ、いらっしゃい」

「お邪魔します」
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