蜜林檎 *Ⅱ*

情けない手

蒼一に手を引かれて入った
居酒屋の店内、数人の男性と
話す瑠璃子の姿を見つけた

杏の瞳に涙が・・・

瑠璃子はすぐに駆け寄り
持っていたハンカチで
杏の涙を拭う。
 
「ルリ・・・」

「こんなに目が腫れるまで
 泣いて、かわいそうに・・」

瑠璃子は、杏を強く抱きしめた

仲間の元を離れて二人は
カウンターでお酒を飲む。

「なんだか、連れの人達に
 悪い事しちゃって・・・」

「アンは、気にする事無いよ
 一緒に飲んでるのは
 シノ君とアマチだから
 あっちは、同窓会気分で
 楽しくやってるわ
 ミナミに任せておけばいいよ
 それより・・・
 本当にイツキと別れたの?」

杏は頷いた後・・・

全ての話を瑠璃子に語った。

その内容の濃さに、瑠璃子は
驚きを隠せずにいる。
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