蜜林檎 *Ⅱ*
百合は、烈の幼い頃の写真数枚
とこの間、お店に烈が来た時に
杏に撮ってもらった写真を
樹に見せた。

「彼、すごく驚いてたわ
 写真で見るレツは
 赤ちゃんの姿から
 一度に青年の姿になって
 しまったものだから」

「そう言えば、この間の
 レツの写真、どことなく
 イツキに似てたね?」

「うん、会う度にイッキに
 似てて驚くばかりよ
 幼い頃は、あんなに
 私よりの顔だったのにね」

その後、樹は百合に子供の
養育費だとお金を差し出した。

そのお金はあまりにも多くて
百合は受け取る事を拒んだが
樹の瞳がどうしても百合に
受け取ってもらう事を
望んでいた。

百合は樹の想いを酌んで
半分だけを受け取る事にした。
 
「それで、イッキの気持ちが
 落ち着くならそう思った私は
 養育費として有り難く
 受け取る事にしたわ」
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