蜜林檎 *Ⅱ*
「そっか・・・
 寂しい者どおし
 
 今宵は存分に
 お酒を飲みましょう
   
 ほらほら、サクちゃんも
 キョウコも飲んで、飲んで」

「何で、俺たちまで?」
 
朔夜と響子は、顔を見合わせる

「今、恋人いないんでしょう?
 
 それは、また
 寂しい話じゃない」

「まあな・・・」

まりあの言葉に仕方無く
納得した表情の朔夜を見て
樹はつい噴出してしまうの
だった。

二件目のお店へ移動する為
店を出た樹達。

店の前で、帰る仲間と立ち話を
している。
 
樹は、レンガを積んだ花壇に
腰を下ろし、煙草に火をつけ
遠くを見つめた。
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