明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。
「そしたら…
これで準備は終わったんで教室帰ります。
失礼しま…」
そう言って教室から出て行こうとする彼女の後姿を追いかける。
そして気がつけば雨霧に手を伸ばしていた。
俺よりも小さなカラダは捕まえることが容易だった。
一瞬で背中から抱きしめる。
…なんて…小さいんだ…。
「細いんだな…」
彼女の耳元で囁く。
抱きしめるまでは自分にも余裕があったはずだ。
なのに。