明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

でも目を凝らしてみると奥の机のところに先生がいた。

先生はアタシの声が
聞こえなかったのかこちらを
向くこともなく何か本を読みながらパソコンを操作していた。


光に透けて髪が少しブラウンがかって見える。

紺色のスーツの上にいつもの白衣。

キレイに糊付けされている。


瞳は…
うつむいていて…
それからメガネのせいではっきりとは確認できない。


もう一度声をかける。


「先生…」


先生はやっと顔を上げた。


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