明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。
うらやましそうに結衣が言う。
結衣は肩までの髪を指で遊ばせて口を尖らせる。
赤い唇は薄いルージュを差したように艶っぽくてキレイな赤だ。
それに比べてあたしは平凡すぎるくらいに平凡。
おしゃれにも興味ない…
なんて言ったら嘘になるけど。
でも
そういうの、できない。
「ねぇ、聞いてる?」
ぼんやりと結衣を見つめていたアタシに彼女が笑いながら言う。
「ああ、高篠先生…?
そうかなあ…」
あたしは今、
結衣と話していたことを思い出す。