明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

この扉の向こうに先生はいるんだろうか。

アタシが行ったところで先生は…
このドアを押し開けるだけなのに勇気がない。


あのときの。

地下鉄の駅での出来事のように。


でも結局あのときだって先生に会うことはできなかった。


後ろから何人かの生徒たちの騒ぐ声がする。

その声が近づき誰かがアタシにぶつかる。


そしてアタシは押し出されるように扉の向こうへ。

< 235 / 502 >

この作品をシェア

pagetop