明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

「…先生?」

呼び声にハッとして顔を上げる。

そして自分が化学準備室にいることを理解する。


そうだ。

準備で生徒がここにいるんだった。

しっかり、しなければ。

自分に言い聞かせるように意識して彼に笑って応える。


「先生?
今日は実験じゃないからもういいですか?」

木村 空が立っていた。

最近、
雨霧とよく一緒にいる生徒だ。

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