明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

「あの…先生…」

消え入りそうな小さな声で言う。

ああ、
きっといつものような怯えた表情をしているのだろう。

そして俺はできるだけ平静を装って彼女に対応する。


席から立ち上がり声をかける。

「なんだ…?」


こころの中を一瞬風が吹きぬけたような気がした。

この感覚。

図書室で一緒にいたときの時間と同じだ。

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