明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。
雨霧は何も言わず視線を戻し再び実験の準備に取り掛かる。
そしてフラスコを棚から取り出す。
北向きの暗い部屋なんだから
部屋の電気を点ければいいのに
俺が最初から暗い部屋で作業を
していたことに気遣ってか電気もつけず
準備するものが書かれたプリントに目を近づけて内容を確認している。
手伝ったほうがいいのか…。
今まで準備にきた生徒には
俺も一緒になって手伝ってやっていたが
彼女の場合、雨霧の場合は…。
できるだけ関わりたくない。
俺は忙しそうに動く彼女に気づかないフリをしてパソコンに向かい続ける。