明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

・from 龍之介


---from 龍之介---

今、
自分の隣には雨霧がいる。

長い黒髪が風に揺れて時々俺の腕に当たる。


近くにいるんだ。

俺は改めて確信して
そしてまたそれを不思議に思う。

ふとさっきの彼女の言葉を思い出す。


「先生、
もしもう帰るんだったら一緒に駅まで帰りませんか?」

どうして彼女はあんなこと言ったのだろう。


俺のことを避けているはずなのに。


< 388 / 502 >

この作品をシェア

pagetop