明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。
「じゃ…職員室のことについて説明していきますね」
教頭が話しかける。
「はい、お願いします」
ここで
はじめからやり直そう。
なにもかも忘れて。
時間がたてば雨霧のことも、
記憶の中から少しづつ消えていくんだろうか。
そしてまたいつものように過ごせばいい。
今はまだ俺の中にはまだ残っている彼女の腕の、背中の、髪の…
感覚が鮮やかにはっきりと蘇る記憶。
でもやがてそれも静かに。
自分自身から離れてゆくのだろうか。