明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

隅にあったバケツに…
あの本が見事に入っていた。

昔、留学したときに買った本。


俺は拾いあげることもせず少し気に留めたまま視線を彼女に戻す。


ふと彼女の手が止まりそっと顔を上げる。


そしてそのぶつかった相手が
俺だと確認できると雨霧のほうが困惑した表情を見せた。

「なんてことしてくれたんだ!」


別に彼女を困らせよう、
そんなつもりじゃなかった。

なんとなく彼女の反応が見たかっただけだった。

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