明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。
そう、このときは彼女に対して怖いとか
そんな特別な感情はなかった。
わからなかった。
「そんなに安いもんじゃないんだ…」
俺はいつまでも座り込んでいる雨霧の腕を掴んで立ち上がらせる。
そしてそのままその場の空き教室に連れ込んだ。
不安そうに怯える雨霧。
そういう表情を見るとあまり他の生徒とは変わらない。
なのにどうして俺はこの雨霧に…。
俺は彼女の腕をそっと離した。
「あの本は日本円で5万したんだ…」