明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

やはり今まで思っていたことは気のせいだったのだ。

あの準備室で感じたことも。


そう思ったら俺は彼女よりも優位に立てると…。

いや、
そう思い込みたかったのかもしれない。

そしてあのときの感情が
なんだったのか確かめるように彼女に近づいてゆく。

「だって本のない間はどうしたらいいわけ?」


「あ…それは…」

俺は雨霧に顔を近づけて笑顔で言ってみる。


< 63 / 502 >

この作品をシェア

pagetop