明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。
「お前はわしの言うことを聞いていれば何の間違いもないんだ」
「…そうだね」
「今実際、
充実した毎日を送ることができているだろう?」
「…そうだね」
同じ返事を繰り返して俺は笑う。
充実?
どこが?
まったく逆の思いを抱いていることにこの人は気づいていないのだろうか。
父親でさえ欺くことは簡単だな。
傍からみれば幸せな家庭だったかもしれない。
でも仕事が忙しい父親といつも父親の言いなりになっている母親。