修羅と荊の道を行け
「今度あったら謝らないと」

「必要ないんじゃないですか?向こうにも非はあるんだし」

「そういう訳にもいかないよ」

礼儀として、自分に非がなくても謝らないといけないと思う。

千鳥さんにも、謝らないとダメかな?

でも向こう嘘ついたし。もう会うこともないだろうし良いかな?


「さぁ、仕事しよう。氷樹ちゃんが戻ってくるだろうし」

ここは社会人として頭を切り替えた。



打ち合わせは無事に終わり、二人は帰って行った。

ケータイを確認すると、浪川くんからメールが入っていた。


『さっきはごめん。謝りたいんだ。今日、会えるか?どんなに遅くても待ってるから』

と書いてあった。

勿論、断る理由なんてない。

『私もごめんなさい。私も謝りたい。おばちゃんのお店で良いかな?あそこの方が良いと思う』

二人きりだとなんか気まずい雰囲気になりそうな気がしたから間に入ってくれる人がいた方が良いと思った。

すぐに返事がきて、了解をもらった。
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