修羅と荊の道を行け
デスクに戻ると全員が好奇の目で私を見ていた。

「おい、咲耶!ロビーで彼氏にビンタされたって本当か?」

岡崎がまっ先に聞いてきた。

「誤解があっただけ」

「おいおい付き合って三ヶ月も経ってないのに別れる気かよ」

誤解があっただけと言っているのに、岡崎は一人で盛り上がってウザい。

「咲耶、問題はないか?」

白倉さんに問われたので

「作業に問題はありません。お騒がせしました」

「うん。咲耶が公私混同しないのは分かってるよ。信頼してるし」

「はい、ありがとうございます」

大方、受付嬢さんたちが言ったんだろうけど。

別に気にすることじゃない。

ただ問題は、

「咲耶ちゃん彼氏と喧嘩したんだって!可哀相!今日、飲みに行こう」

広報のお姉さん達が一気になだれ込んできた。
< 104 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop