修羅と荊の道を行け
荊道5
オレは今、咲耶のおばさんの店に来ている。

目の前で女将さんが爆笑している。

オレは今日の出来事を全て話した。

その直後、彼女の爆笑が止まらない。

「あの…」

「あはははは、ごめんねぇ。あの子ったら、まだあの癖直ってなかったんだね」

「癖?」

「小さい頃からあの子、攻撃されるとやり返して黙らせちゃうのよ」

それを癖と言って良いものだろうか?

「今では考えられないけど、男の子にいじめられるとすぐに泣いちゃう子だったのよ」

「へぇ」

咲耶の小さい頃の話しは興味ある。

「それで兄も強くしようと思ったのか、空手、柔道、剣道、弓道、色んなもの習わせたの。兄は心の方を鍛えたいと思ってたらしいんだけど」
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