修羅と荊の道を行け

そんなことを考えていると咲耶が目を開けた。

ケータイの時計を見ると朝の６時、妄想しているうちに夜が明けてしまっていた。

｢えっ？あれ？私？｣

咲耶は自分がロフトのベッドにいることに首を傾げている。

｢あぁ、昨日寝ぼけて上って来たんだ。オレにしがみついてたからそのままにしてた｣

腕枕されたままの咲耶はそれに気づくとぎゃっと声を上げて猫の様に飛び上がった。

｢あぶねっ！｣

咲耶の足を咄嗟に掴んで転落だけは免れた。こいつは突然、漫画のキャラのような真似をする。

｢落ちるって、何してんだ｣

｢すいません…。ビックリして｣

ベッドに引き上げてやると咲耶はボソボソと話す。顔が赤い、照れているのだろうけど、人の顔を見て、ぎゃっっと言われたら少しショックだ。