修羅と荊の道を行け
「わ、休日のホストみたい。ってか、ホスト」

顔を洗って、ダイニングに向かうと真央花ちゃんがオレを見て言った。

「そうだね…」

荒井が持って来てくれたのは、ワインレッドのシャツにレザーのパンツ、長さは調度良いがピッチリ感が慣れない。それに黒のジャケット。どれも値の張るブランド物だ。

「うわ、ホストみたい。眞一郎凄いのもってきたね。でも似合ってる」

咲耶も驚いた顔をしていた。

「ただいまぁ」

間延びした声がダイニングに聞こえてきた。

「あ、美世華お姉ちゃんお帰り」

咲耶のすぐ下の妹が帰って来たらしい。

「お帰り、ごはん食べる?」

「うん。食べる」

「彼氏のとこで食べてくれば良いのに」

「あいつ朝食べる習慣ないから作りがいない。お姉ちゃんとハルさんのご飯のほうが美味しいし。それより、マオにメールもらってたけど、お姉ちゃん大胆だね。お父さんいないのに彼氏家に泊めるなんて」

「お父さんいても泊めたよ。昨日、怖いゲームちゃったし、ねぇ」

「なんで夜中にそんなゲームするの?」
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