修羅と荊の道を行け
にぎやかな食事って言うのは久しぶりだった。

男兄弟って言うのは、歳を重ねる事に会話が減ってくる。正月に集まっても挨拶ぐらいで会話がない。食事も母親だけが話していて、葬式のようだ。

にぎやか過ぎるのは嫌だがこれくらいが良いと思う。

「ハルさんどうかな?卵焼きの味」

「美味しい。合格ですよ」

ハルさんと会話している咲耶は3姉妹の中でも群を抜いて可愛い。これは惚れた弱みだ。

「浪川さんってお姉ちゃんのどこが好きになったの?」

「は?」

美世花ちゃんに言われて咄嗟に反応がおくれた。

「お姉ちゃん胸ないし。帰ってくると中3男子みたいな匂いつけて帰ってくるし」

確かに胸は美世花ちゃんと真央佳ちゃんの方があるだろう。

「ん、咲耶は優しいし、友達思い出し、可愛い、料理も美味い。オレよりも美世花ちゃんの方が分かってるんじゃないのかな?」

そう返すと、3人とも顔が一気に真っ赤になった。なんで、聞いてきた本人まで赤くなってんだよ。
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